合成原油の深度水素化処理のための窒素化合物の分離

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  • Removal of Nitrogen Compounds before Deep Hydrotreatment of Synthetic Crude Oils

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抄録

オイルシェール,石炭,オイルサンドから得られる合成原油は,窒素,硫黄などのヘテロ元素を多く含み,クリーンな輸送用燃料に転換するには厳しい水素化処理条件が必要となる。本研究では,比較的温和な反応条件下での深度水素化を達成するため,CuCl2.2H2Oとの錯体形成による窒素化合物の分離処理と得られた脱窒素油の水素化処理を検討した。原料油としてシェールオイル,石炭液化油およびビチューメンの熱分解油の軽油留分を用いた。水素化処理実験は,小型オートクレーブを用い,水素初圧5 MPa,反応温度350℃,反応時間2~4 hで行った。<br />合成原油中の塩基性および複素環式窒素化合物の多くは,CuCl2.2H2Oとの錯体形成により沈殿し,効率よく除去された。この窒素低減処理により,合成原油の水素化脱窒素速度が増大し,生成油中の窒素含量が大きく減少した。使用したCuCl2.2H2Oのほとんどは錯体のCH2Cl2溶液を水で洗浄することにより回収できることから,本分離処理は窒素を多く含む原料油の深度水素化処理の前処理法として有用であると考えられる。

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