励起蛍光マトリクス計測を応用したデオキシニバレノールの新規判別法

  • 藤田 かおり
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 蔦 瑞樹
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 杉山 純一
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Detection of Deoxynivalenol in Water Solution by Using Excitation-Emission Matrix
  • レイキ ケイコウ マトリクス ケイソク オ オウヨウシタ デオキシニバレノール ノ シンキ ハンベツホウ

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抄録

光計測によるカビ毒検知を試みた.本研究は光計測によるデオキシニバレノール(Deoxynivalenol, DON)の判別を可能にした初の試みであり,1)DON溶液の励起蛍光マトリクス(Excitation-Emission Matrix, EEM)計測,2)EEMの数値化,3)多変量解析によるDONの判別関数の算出,の3段階で実験を遂行し,以下の知見を得た.<BR>(1) これまで蛍光の検知が不可能とされていたDONにおいて,励起波長200~340nm/蛍光波長200~900nmの範囲でDON由来の蛍光が観察された.特に励起波長200~240nm/蛍光波長300nm, 励起波長250~300nm/蛍光波長250~350nm付近に観察されたピークはDON特有の蛍光ピークであると考えられた.<BR>(2)判別分析により,DONおよび純水の2グループの判別には,励起波長210nm/蛍光波長270nm, 励起波長240nm/蛍光波長620nm, 励起波長280nm/蛍光波長330nmの3つの変数が選択された.またこの変数を用いたDONの判別関数の正判別率は100%であり,誤判別がなかったことから,2つの溶液は3つの波長条件で十分に判別が可能であった.<BR>(3)さらにこれらのうち2波長条件において,DON溶液の蛍光強度が純水の値を上回っていたことから(p<0.01),今回算出されたモデル式が他の混合試料中でのDON判別に展開できる可能性が示唆された.

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参考文献 (28)*注記

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