欧州の新たな化学品規制REACHの概要と対策

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  • オウシュウ ノ アラタナ カガクヒン キセイ REACH ノ ガイヨウ ト タイサク

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2002年に開催されたヨハネスブルグサミットでは、ヒトの健康や環境に係る問題に適切に対応する観点から、化学物質管理の重要性が言及され、アジェンダ21の「ライフサイクルを考慮に入れた化学物質管理」の考え方を再確認するとともに、「2020年までに化学物質の製造・使用がヒトの健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化すること」が合意された。その後、欧州委員会は2003年5月、人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の維持向上などを挙げ、新たな化学品規制に関する素案(コンサルテーション・ドキュメント)を作成、公表、同年10月にはREACH規則案が正式に採択されるに至った。そして3年以上に及ぶ審議を経た2006年12月、欧州議会の採択、環境理事会の承認を受け、本年6月1日より施行、2008年6月1日より本格運用されることとなった。REACH登場の背景には、10万種にも及ぶとされる既存化学物質(1971年から1981年9月18日の間に市場で流通していた化学物質)の安全性評価が進んでいないという事情がある。これまで既存化学物質については、各国が分担して安全性評価を実施してきたが、2007年2月時点で評価を終えたものはわずかに733物質。こうした状況の下、安全性評価の義務を各国政府当局から産業界に移行し、既存化学物質に対する点検を推し進めるため、REACHは登場した。

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