日本海西部におけるソデイカの標識放流調査

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タイトル別名
  • Tagging studies on the diamond squid (Thysanoteuthis rhombus) in the western Sea of Japan

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抄録

日本海におけるソデイ力の移動回遊生態を明らかにするため、2001〜2006年の10〜11月に鳥取-兵庫県沖海域でディスクタグによる標識放流調査を実施した。研究機関による放流が791尾、漁業者による放流が1,960尾、合計2,751尾のうち、再捕は前者で121尾(放流回次別の再捕率は0〜22.7%)、後者で42尾(同0〜6.4%)の合計163尾であった。再捕率は他の外洋性沿岸性イカ類のそれよりも高く、調査海域の水産海洋学的特性が関係していると考えられた。再捕は、毎年、放流海域の東西両方向から報告されたが、80.6%が東方からであった。水平直線移動距離は0.5〜513kmであり、日平均移動速度は0〜78km/dであった。ソデイカが海流速度よりも速く移動したという再捕事例は見当たらず、長期的水平移動に関しては、ソデイカは不活発で受動的な回遊者である可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 72 (1), 30-36, 2008-02

    東京 : 水産海洋学会

参考文献 (36)*注記

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