黒毛和種経済形質のゲノム解析

抄録

黒毛和種の経済形質に関わるゲノム領域を明らかにするために、共同研究機関と共同で、種雄牛について産子200頭以上からなる半きょうだい家系を多数構築し、QTLマッピングを行った。その結果、黒毛和種のゲノムには、多くの選抜可能なQTLが存在することがわかった。現在、3つの脂肪交雑QTL (Marbling-1, 2, 3) と2つの枝肉重量QTL (CW-1, 2) について、相関解析などの手法で領域を絞り込み、責任遺伝子の同定を試みている。CW-1では、限定した1.1Mb領域内の遺伝子についてトランスジェニックマウスを作成し、成長への影響を調べている。CW-2については、600kbの候補領域内の遺伝子にアミノ酸置換を起こすSNPを見出した。また、Marbling-3については、特定地域集団を用いた相関解析により約2cMの領域に限定し、さらに領域を絞り込むべく、大規模一般集団での相関解析を行っている。一方、一塩基多型 (SNP) の大量解析装置が市販されるようになったことから、これを用いて、脂肪交雑に関するゲノムワイド相関解析を試みた。今後、より高密度のSNPが解析できるようになれば、マッピングに威力を発揮することが期待される。

収録刊行物

  • 動物遺伝育種研究

    動物遺伝育種研究 35 (Supplement), 12-21, 2007

    Japanese Society of Animal Breeding and Genetics

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204467173376
  • NII論文ID
    10021219675
    130003857700
  • DOI
    10.5924/abgri2000.35.supplement_12
  • ISSN
    18843883
    13449265
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ