中国農村における農地の貸借と自営兼業の関係に関する研究 : 福建省の二つの村を事例として A Study on the Relationship between Land Rental and Self-employment in Rural China : Cases of Two Villages in Fujian Province

この論文にアクセスする

この論文をさがす

著者

抄録

中国においては、1978年の農家請負制度の実施によって、農民に農地が均等に配分された。その結果、農業生産は大きく増大した。しかし、耕地は零細で、かつ分散しており、このことが継続的な生産の増大を困難にしている。請負制度のもとでは、農民は土地の所有権を付与されておらず、土地を購入・販売することはできない。したがって、農地の移動、規模拡大はもっぱら貸借によっている。農地貸借の契機はいくつかあるがなかでも貸し手側の就業形態-兼業への従事-はその重要な要因をなっている。本研究は農地の貸借と兼業、特に自営兼業との関係を明らかにすることを目的としている。そのために家族構成員が自営兼業に従事している農家の農地の貸借が雇われ兼業(賃金労働者)と異なっているかどうかということ、及び自営兼業が農地貸借のうえでどのような役割を果たしているかということを明らかにする。自営兼業農家においては、賃金労働者より高い割合で農地を貸し出している傾向があった。その理由は、 自営兼業に従事している者は、親戚や友人同士で営業や資金の護得に独自のネットワークを持っており、収入の水準も賃金労働者よりも高いことによる。なかでも、在村の自営兼業者では農地を貸し出している割合がより高い傾向がみられた。 自営兼業者は単に農地を貸し出しているだけでなく、周辺の農家-彼らは農地を借り入れ商品作物として野菜を栽培している-から野菜を買い取る卸売業者として営業している者、また農業機械を購入し、他の農家に貸し出すことも発生している。これらのことから、自営兼業者は、農地の貸し手であると同時に農業に関連する事業を行うことによって地域の農業の展開に寄与していることが明らかになった。しかし自営営業はなか不安定であり、さらに農地貸借を進めていくためには、自営兼業者に対する技術の訓練、資金、情報提供などの支援を行うことによってその営業の安定化を図ることも重要な課題である。

収録刊行物

  • 農業経済論集  

    農業経済論集 58(2), 33-46, 2008-02-01 

    九州農業経済学会

参考文献:  11件

参考文献を見るにはログインが必要です。ユーザIDをお持ちでない方は新規登録してください。

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10021227476
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00200914
  • 本文言語コード
    ENG
  • 資料種別
    ART
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    03888363
  • NDL 記事登録ID
    9463763
  • NDL 雑誌分類
    ZR8(科学技術--農林水産--農産--農業経済学)
  • NDL 請求記号
    Z18-97
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  IR 
ページトップへ