書誌事項
- タイトル別名
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- The effects of moisturizing gel to prevent dry mouth in patients with cerebrovascular disease
- 当特別養護老人ホーム[伊豆高原十字の園特別養護老人ホーム]における口腔ケア介入の効果--保湿ジェルの使用経験
- トウ トクベツ ヨウゴ ロウジン ホーム イズ コウゲン ジュウジ ノ ソノ トクベツ ヨウゴ ロウジン ホーム ニ オケル コウクウ ケア カイニュウ ノ コウカ ホシツ ジェル ノ シヨウ ケイケン
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抄録
緒言:口腔ケアが高齢者肺炎の予防に効果があることは近年の検討で明らかになっている.今回,当特別養護老人ホームで口腔ケア用品の一つとして,口腔内乾燥予防目的に保湿ジェルを用い,その効果を検討した.方法:食欲低下,むせ,口臭,喀痰,発熱をしばしば伴う脳血管障害後遺症患者9人(平均年齢83.8±2.4歳,男性3人,女性6人)を対象に予め口腔ケア·チェックリスト,口腔ケア·アセスメント表を作成し,保湿ジェル使用後から6カ月間,ADL(activities of daily living),身体状況,摂食状況,口腔内所見等を週に1回観察·評価した.また前記の中で6人(平均年齢83.8±2.5歳,男性2人,女性4人)を対象に,保湿ジェル使用前後の6カ月に於いて,発熱日数,抗菌薬投与回数,補液投与回数を比較検討した.保湿ジェルは毎食後,適量を口腔粘膜に塗布するよう指導した.自ら摂食できない患者には口腔内乾燥に介護者が気づく毎に塗布した.結果:ADLや意識レベルが改善した人は1人,脱水,咳,痰の改善は2人であったが,発熱は5人に改善を認めた.食事摂取量は6人が改善した.歯垢,歯石が少なくなった人は6人であった.それぞれが増悪した人はいなかった.発熱日数は毎月の変化を前年同月と比較すると,本保湿ジェル使用後は2007年3月(使用開始6カ月後)の時点で発熱者がいなかった.6カ月間の発熱日数を比較検討すると,使用前平均6.5±2.5日から使用後5.2±2.6日まで有意に(p<0.05)減少した.抗菌薬は使用後の2007年2月,3月の時点では使用群の誰にも投与されなかった.抗菌薬投与回数は,6人中3人に抗菌薬が投与されており,1人を除き投与回数は減少した.補液投与回数は,使用後は2007年1月頃より回数が減った.補液は6人中3人に行われており,3人とも補液回数は減じた.結論:保湿ジェルを用いた口腔ケアは脳血管障害後遺症患者に生じる口腔内汚染を誘因とする気道感染予防に寄与できる可能性が示唆された.<br>
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 45 (2), 196-201, 2008
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205024335616
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- NII論文ID
- 130004485551
- 10021238894
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BD1c3nvVOrtQ%3D%3D
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- NDL書誌ID
- 9472151
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- ISSN
- 03009173
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可