多彩な症状を呈した中枢神経性ループス,ループス脊髄炎に対しステロイドパルス療法およびシクロホスファミドパルス療法が奏功した一例

  • 平野 亨
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 萩原 圭祐
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 河合 麻理
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 桑原 裕祐
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 山鳥 大材
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 嶋 良仁
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 緒方 篤
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 田中 敏郎
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
  • 吉崎 和幸
    大阪大学保健センター
  • 川瀬 一郎
    大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Successful therapy with steroid and cyclophosphamide pulse for CNS lupus and lupus myelitis

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抄録

  症例は33歳女性,2001年,全身性エリテマトーデスと診断され,ステロイド剤とciclosporinの投与にて治療されていた.2006年5月頃より,両下肢の脱力を自覚し,徐々に自立歩行が困難となった.7月より全身倦怠感,発熱,食欲不振,見当識障害を認め,入院となった.入院後まもなく,全身性痙攣が出現し不穏状態となった.さらに同時期より尿閉,便失禁,下肢末端の強いしびれが出現した.MRI上,脳に異常所見はなく,胸髄の萎縮所見が認められた.血中の抗リボソームP抗体の上昇と髄液の蛋白およびIL-6の増加所見をあわせ,中枢神経性ループス,ループス脊髄炎と診断した.ステロイドパルス療法および経口ステロイド療法を行い,痙攣,意識障害の改善を認めた.その後も尿閉,下肢の感覚運動障害は遷延したが,cyclophosphamideパルス療法の併用により,10月頃より自尿の再開,下肢の脱力としびれの改善を認めた.自立歩行が可能となり11月退院となった.本症例は,中枢神経性ループスによる意識障害,痙攣,膀胱直腸障害,下肢の運動,感覚障害等の多彩な症状と血中抗リボソームP抗体の高値を認め,ステロイドパルス療法およびcyclophosphamideパルス療法が著効した症例である.<br>

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参考文献 (19)*注記

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