関節リウマチに伴う急速進行性間質性肺炎及び多発肺嚢胞の治療中に縦隔気腫を合併し,tacrolimusが有効であった1例

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タイトル別名
  • A case report of rheumatoid arthritis complicated with rapidly progressive interstitial pneumonia, multiple bullae and pneumomediastinum, which was successfully treated with tacrolimus

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抄録

  症例は64歳,女性.1988年,労作時呼吸困難が出現し,間質性肺炎(IP)と診断された.Prednisolone (PSL) 40 mg/日による治療が開始され,1991年からは5 mg/日の維持量が投与されていたがIPは緩徐に進行し,1993年に在宅酸素療法導入となった.2002年3月より関節炎が持続し,X線所見,病理所見から関節リウマチの診断が確定し,salazosulfapyridine投与が開始された.同年10月,突然の背部痛の後呼吸困難が生じ,胸部X線像およびCT像にてIPの増悪と多発肺嚢胞を認めた.Methyl-prednisoloneパルス療法を行い,その後PSL 30 mg/日を経口投与したところ,関節炎は改善し肺嚢胞も縮小したが,第55病日には前胸部の絞扼感とともに縦隔気腫が出現した.IPが遷延し,血清KL-6値が依然として高値であったため,tacrolimus 3 mg/日を併用しながらPSLを減量した.その後縦隔気腫の消失とIP及び関節炎の改善を認め,第87病日退院となった.近年皮膚筋炎/多発性筋炎などに合併したIPに対するtacrolimusの有効性が報告されているが,本例はtacrolimusが関節リウマチに合併するIPに対しても有効であることを示唆する症例である.<br>

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