• 井田 弘明
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療展開講座リウマチ免疫制御学(第一内科)

書誌事項

タイトル別名
  • Auto-inflammatory Syndrome
  • 医学と医療の最前線 自己炎症疾患
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン ジコ エンショウ シッカン

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抄録

自己炎症疾患(autoinflammatory disease)は,自己炎症症候群(autoinflammatory syndrome)とも呼ばれる新しい疾患概念である.繰り返す全身性の炎症を来す疾患で,多くは発熱がみられ,関節·皮膚·腸·眼などの部位の炎症を伴う.症状としては,感染症や膠原病に類似しているが,病原微生物は同定されず,また,自己抗体や抗原特異的T細胞も検出されない.近年,Toll-like受容体や細胞内のNLRファミリー蛋白の分子機構の解明が進み,また,これらの分子が,一部の遺伝性周期熱症候群の疾患遺伝子でもあったことから,自己炎症疾患の概念が提唱され,現在注目されている.欧米の疾患と思われていた遺伝性周期熱症候群は,本邦でも存在が確認され,不明熱の鑑別疾患に挙げる必要性がでてきている.本稿では,自己炎症疾患の概念,分類を紹介するとともに,各疾患の臨床像と病因を簡単に解説した.<br>

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