骨髄移植後のキメリズム解析を不可能にした再発時付加染色体異常

書誌事項

タイトル別名
  • Additional chromosomal changes impaired chimeric analysis in a patient with relapsed leukemia after bone marrow transplantation
  • 症例報告 骨髄移植後のキメリズム解析を不可能にした再発時付加染色体異常
  • ショウレイ ホウコク コツズイ イショクゴ ノ キメリズム カイセキ オ フカノウ ニ シタ サイハツジ フカ センショクタイ イジョウ

この論文をさがす

抄録

61歳男性。trisomy 8を伴う白血病(M6)に対し,異性間同種末梢血幹細胞移植を施行した。11番染色体短腕上のマイクロサテライト領域を用いたキメリズム解析(PCR-STR)及び,8番染色体FISH法解析にて経過を観察した。移植10か月後に芽球の増加と,FISH法解析でtrisomy 8を示す細胞の増加を認め再発と考えられたが,PCR-STR法では100%ドナータイプであり,再発所見を示さなかった。そこで骨髄標本を用いたXY FISH法解析を行ったところ,芽球はレシピエント由来であることが確認された。この直後の染色体分析において,初発時の異常核型に加えてPCR-STR法で用いたマイクロサテライト領域を含む染色体の部分欠失del (11)(p10)という新たな付加異常が,解析した異常細胞全てに認められ,このことがPCR-STR法で再発を検出できなかった原因であった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 49 (2), 109-114, 2008

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ