血管内皮細胞における凝固線溶制御因子の発現に与えるHMG‐CoA還元酵素阻害剤の影響

  • 山崎 和美
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学
  • 森下 英理子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学
  • 平野 京子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学
  • 関野 智経
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学
  • 吉田 知孝
    金沢大学医学部付属病院検査部
  • 林 朋恵
    金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学講座
  • 御舘 靖雄
    金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学講座
  • 山崎 雅英
    金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学講座
  • 朝倉 英策
    金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学講座
  • 中尾 眞二
    金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学講座
  • 大竹 茂樹
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of HMG-CoA reductase inhibitors on blood coagulation and fibrinolytic regulation factors in the endothelial cell

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抄録

本研究では, HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)による血管内皮細胞における凝固線溶因子の発現調節作用について検討した. ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に脂溶性スタチンであるfluvastatinを添加し, 凝固線溶制御因子のmRNAおよび蛋白発現量を測定した. Tissue factor pathway inhibitor(TFPI), およびトロンボモジュリン(TM)mRNAはfluvastatin添加によって発現が有意に増加し, plasminigen activator inhibitor type-1(PAI-1)mRNAは発現が有意に減少した. 抗原量はTFPI, TMは増加し, PAI-1は減少した. <br>Fluvastatinと同時にメバロン酸およびゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)を添加するとfluvastatinの各種mRNA発現亢進および抑制作用が阻止されたが, ファルネシルピロリン酸(FPP)の添加では変化がなかった. 以上のことから, fluvastatinは血管内皮細胞においてTFPI, TMの発現を亢進し, PAI-1の発現を抑制させることで, 抗凝固的作用をもたらす可能性が示唆された. また, その機序に関しては細胞内のGGPP産生が抑制されることが関連していると考えられた.

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