短期強化インスリン療法とβ細胞保護療法を併用した2型糖尿病治療の有用性

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タイトル別名
  • Long-term Efficacy of Unloading Therapy for β cells after Short-term Intensive Insulin Therapy in Poorly Controlled Type 2 Diabetes
  • タンキ キョウカ インスリン リョウホウ ト ベータ サイボウ ホゴ リョウホウ オ ヘイヨウシタ 2ガタ トウニョウビョウ チリョウ ノ ユウヨウセイ

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抄録

コントロール不良となった2型糖尿病患者に,短期強化インスリン療法(SIIT)と,その後療法として,β細胞保護療法(UTB)を継続することにより,長期の血糖コントロールが可能かどうかを検討した.コントロール不良(HbA1c 8%以上)となった2型糖尿病患者に,入院クリティカルパスによるSIITを行い,糖毒性を解除した後,UTB(α-GI, メトホルミンの併用と,短時間作用型SU薬であるグリクラジドを最少量,最短期間で使用)を継続した41例の,その後のHbA1cの推移を1∼7年にわたって観察した.SIIT後,UTBを継続することにより73%の例でHbA1cを6.4%以下に,90%の例でHbA1cを6.9%以下に長期間(1∼7年),コントロールすることが可能であった.これらの結果は,進行性にβ細胞機能の低下してゆく2型糖尿病の治療において,β細胞の糖毒性と過負荷を取り除き,β細胞を保護する治療法の有用性を示唆していると思われる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 51 (4), 309-317, 2008

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (22)*注記

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