胃悪性リンパ腫における照射方法の検討

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  • RADIATION TREATMENT PLANNING FOR GASTRIC LYMPHOMA

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抄録

【目的】胃悪性リンパ腫に対する放射線治療後の治療成績を解析するとともに,照射方法を検討する.【対象と方法】2000年 2 月から2005年 4 月までに限局期胃原発悪性リンパ腫にて放射線治療を行った26例を対象とした.放射線治療は一回線量1.5 Gyにて30~40.5 Gy(中央値 30)が投与された.両側腎に20 Gy以上が照射される体積の割合(K-V20)が50%以下となるように配慮した.また,3 次元治療計画が行われた12例では前後対向 2 門照射法と前後左右 4 門照射法を用いた仮想の治療計画を立て,両照射法のK-V20の比較を行った.【結果】26例中24例に前後対向 2 門照射,1 例に前後左右 4 門照射,1 例に 3 門照射が行われた.腎への線量を軽減するため,規定した照射野マージンを遵守できなかった症例が 7 例(27%)見られた.照射終了時に22例が完全寛解し,全症例の 2 年全生存率は95%であった.臨床的に問題となる晩期有害事象はなかった.3 次元治療計画で比較が可能であった12例のうち,前後対向 2 門法では 4 例においてK-V20が50%以上となったが,前後左右 4 門法においては全例でK-V20が50%未満となった.また,前後対向 2 門法にてK-V20が50%未満であった 8 例は,治療計画CTにおける胃の最尾側のスライス位置がいずれも左腎の中央よりも頭側であった.【結論】放射線治療後の成績は良好であった.胃の位置が左腎の位置に対し相対的に低い場合,前後左右 4 門法を用いることで,十分な照射野マージンを保ちつつ,腎への線量を軽減した治療が可能と考えられた.

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