食道癌術後の難治性食道瘻に対する大胸筋皮弁の有用性―第二報,パッチグラフトおよび嚥下食の工夫―

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タイトル別名
  • Pectoralis Major Myocutaneous Flap for Refractory Esophageal Fistula after Esophageal Cancer Operation–Some Device of Patch Graft and Foods for Dysphagia–

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抄録

難治性食道瘻の一次縫合が困難であった2例に対して,大胸筋皮弁パッチグラフトによる瘻孔閉鎖術を施行した。皮島の血行を考慮し,皮島の周囲に多くの脂肪組織を付け,かつ表皮のみをトリミング(真皮は温存)し,最終的に瘻孔のサイズの1.5~2倍(0.5~1cm大き目)の大きさにして,瘻孔を閉鎖した。経口摂取は術後13日目から開始した。術後1カ月目の嚥下造影所見では,検査食通過時,吻合部が若干狭い印象であったが,通過障害は認められず,胃管への移送は良好であった。食事については,患者の誤嚥防止や吻合部への嚥下圧の負担を考慮した嚥下食を提供し,徐々に摂取量と食事形態をアップした。その結果2例とも誤嚥性肺炎や瘻孔の再発をきたすことなく,術後経過は良好であった。

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