Electrolyte depletion syndromeを呈し経肛門的に切除し得た直腸絨毛腫瘍の1例

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  • Local Excision by Transanal Approach of Rectal Villous Tumor that Presented Electrolyte Depletion Syndrome

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抄録

症例は73歳,女性。平成18年6月中旬より動悸,立ちくらみ,食欲不振が出現し,近医を受診した。狭心症を疑われて6月24日近医を紹介されたが精査にて否定され,電解質異常(Na 116mEq/l,K 1.9mEq/l,Cl 72mEq/l)のために同日当院内科に入院した。電解質補正のため点滴加療を行い,腹部造影CT検査にて直腸に分葉状の腫瘤を認めた。S状結腸内視鏡および注腸検査にて上部直腸および下部直腸に絨毛状の腫瘤を認めた。経肛門的切除を行い,電解質異常は術後速やかに改善した。病理組織学的所見では絨毛状に増生する悪性腫瘍で,深達度はmであり治癒切除と判断した。大腸の絨毛腫瘍が大量の粘液を分泌し電解質異常をきたすelectrolyte depletion syndromeは比較的稀な疾患である。進行癌を示唆する所見がなければ経肛門的切除などの縮小手術にて根治が期待できる。

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