腫瘤形成性膵炎の2切除例 Two Operated Cases of Tumor-Forming Pancreatitis

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抄録

 腫瘤形成性膵炎と膵癌との鑑別は極めて困難で,治療方針の決定に苦慮する。今回われわれが経験した2例ともに,腹部CTやMRIなどで確定診断に至らず,現段階で最も正診率の高いEndoscopic Ultrasound-guided Fine Needle Aspiration Biopsy(EUS-FNAB)においても悪性の確診がなかったが,腫瘍マーカーの高値や閉塞性黄疸を伴っていたことを根拠に膵頭十二指腸切除術を施行した。結果的には摘出標本の病理結果より腫瘤形成性膵炎と診断され,いずれも悪性像は確認できなかった。腫瘤形成性膵炎に対しては厳重な経過観察を治療方針とする見解もあるが,一般的に膵癌の根治性が低いことを考慮すれば,長期間の経過観察は治療機会の喪失に直結する期間ともなりうる。ゆえに,現時点で本疾患においては,確実な膵癌の否定をなしえない限り,治療的診断の意味でも積極的な外科的切除の選択を考慮する必要がある。

収録刊行物

  • 日本外科系連合学会誌  

    日本外科系連合学会誌 33(1), 78-83, 2008-02-29 

    Japanese College of Surgeons

参考文献:  18件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10021286137
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00002502
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    NOT
  • ISSN
    03857883
  • データ提供元
    CJP書誌  J-STAGE 
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