急速に増大した若年者嚢胞内乳癌の1例

  • 櫻井 健一
    日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門
  • 榎本 克久
    日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門
  • 松尾 定憲
    日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門
  • 天野 定雄
    日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門
  • 北島 晃
    日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門
  • 根本 則道
    日本大学医学部病理学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Juvenile Intracystic Breast Carcinoma with Acute Enlargement.

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抄録

症例は29歳,女性。既往歴は27歳時に左乳管内乳頭腫切除術。その1年6カ月後,乳頭血性分泌を認め当科を受診した。左乳房C領域に境界明瞭な直径3.0cmの腫瘤を認めた。超音波検査では内部に充実成分を伴うhypoechoic massを認めた。充実成分の穿刺吸引細胞診はClass IIの診断であった。その後急速に腫瘍は増大し,3カ月後には直径6cmとなったため,再び穿刺吸引細胞診を行ったがやはりClass IIであった。急速に増大する腫瘍で,嚢胞内出血を認め貧血も伴ったため,手術を勧めたが拒否された。さらに4カ月後には腫瘍径は8.0cmに増大し,Hb 7.5mg/dlと貧血も進み,腋窩リンパ節に腫大を認めた。3回目の細胞診はClass Vの診断で,手術の承諾が得られ,左乳癌(T3N1M0=Stage IIIa)の術前診断で胸筋温存乳房切除術+腋窩リンパ節郭清術を施行した。術後化学療法としてCEFを6クール施行,現在2年を経過したが再発の徴候を認めていない。

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参考文献 (14)*注記

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