胆嚢扁平上皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Squamous Cell Carcinoma of the Gallbladder

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抄録

症例は71歳,男性。右季肋部痛を主訴に近医受診。腹部CT検査で胆嚢の腫瘤性病変を指摘され,当科に紹介された。肝浸潤,腹壁・結腸への直接浸潤と肝十二指腸間膜内リンパ節転移を伴う胆嚢癌と診断し,手術を施行した。手術所見では,胆嚢底体部に占拠する腫瘍が腹壁および結腸,右腎周囲の脂肪織に浸潤しており,肝拡大右葉切除,胆管切除,右半結腸切除を施行した。病理組織学的には,腫瘍は壊死傾向と角化を示す扁平上皮癌で,腺癌成分は認めなかった。si,Hinf2,Binf0,PV0,Arh2,pT4,pN1,fStageIVa,pBM0,pHM0,pEM0,fCurAと診断した。退院後,補助化学療法は行わず経過観察していたが,腹膜播種再発による腸閉塞を発症し,術後第167病日に原病死した。胆嚢癌の病理組織型はほとんどが腺癌で,本症例のような扁平上皮癌は非常に稀と考え報告する。

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参考文献 (10)*注記

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