頭頸部がん治療の進歩 ―頭頸部癌領域における放射線治療の最近の進歩―

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  • ダイ 108カイ ニホン ジビ インコウカ ガッカイ ソウカイ パネル ディスカッション トウケイブ ガン チリョウ ノ シンポ トウケイブ ガン リョウイキ ニ オケル ホウシャセン チリョウ ノ サイキン ノ シンポ
  • [Recent progress on radiotherapy for head and neck neoplasms].

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抄録

頭頸部癌の放射線治療は手術療法とならび重要な役割を担っている. 従来手術しか治療法がなかった局所進行癌に対しても, 化学療法の併用により放射線治療を主体とした侵襲のより少ない治療の適応が拡大すると思われる. 化学療法の併用方式としては, 同時併用・交替療法が投与方法として推奨される. 薬剤はCisplatin, 5-fluorouracil (5-FU) がkey drugであるが, 導入療法としてそれらにDocetaxicelを加えた組み合わせが標準となりつつある. その他にも新規抗癌剤や分子標的療法などの放射線治療との併用が現在精力的に研究されている. 現状では治療効果の改善には急性毒性の増強を余儀なくされており, 放射線治療技術の改良, 薬剤の開発などにより安全性, 忍容性を改善することが切望されている. 近年, Intensity modulated radiotherapy (IMRT) や粒子線治療, サイバーナイフに代表されるように放射線治療機器の進歩は著しい. 従来唾液腺にも腫瘍と同程度の線量がかかってしまい唾液腺障害が必発であったが, IMRTでは唾液腺に当たる線量を腫瘍部分の半分以下にすることが可能である. 粒子線は従来の放射線が効きにくい悪性黒色腫や肉腫, 腺様嚢胞癌などにも効果的とされている. これらをうまく活用することにより, 治療成績の改善への貢献が期待される.

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