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- 佐藤 公則
- 佐藤クリニック耳鼻咽喉科 久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
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抄録
近年ファイバースコープが発達し, 咽頭・喉頭・頸部食道異物摘出術の適応が拡大されてきた. 特に電子内視鏡が市販されてからはより細径の内視鏡でより鮮明な画像が得られ, 異物摘出術にも貢献している.<BR>電子内視鏡による中咽頭異物摘出術の利点は, (1) 経鼻的に細径の内視鏡を挿入することで, 咽頭反射の強い患者, 咽頭腔の狭い小児でも患者に与える苦痛は少なく異物摘出術が行える. (2) 正確で微細な操作が可能であり短時間で人手をかけずに異物摘出術が行える. (3) 解剖学的に見えにくい部位にある, 微細な異物も観察が可能であることである. 電子内視鏡による喉頭・下咽頭・頸部食道異物摘出術の利点は, (1) 特に経鼻挿入による異物摘出術では, 鎮静や全身麻酔を行わずに咽頭反射が強い患者でも外来で表面麻酔で異物摘出術が行える. (2) 人手をかけずに異物摘出術が行えることである. どの程度の大きさの, どのような形状の異物までが電子内視鏡で摘出できるかは今後の課題である.<BR>電子内視鏡で摘出可能な異物が増加してきた. 軟性内視鏡と硬性内視鏡おのおのの手技に精通し, それぞれの長所をいかして咽頭・喉頭・頸部食道異物摘出術を行うべきである.
収録刊行物
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- 口腔・咽頭科
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口腔・咽頭科 20 (3), 269-277, 2008
日本口腔・咽頭科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204425385216
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- NII論文ID
- 10021295473
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- NII書誌ID
- AN10235405
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- ISSN
- 18844316
- 09175105
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可