2.レニン・アンジオテンシン系の心房細動発症への関与

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タイトル別名
  • <I>Role of renin-angiotensin system for atrial fibrillation</I>

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抄録

アンジオテンシンIIは, AT1受容体に結合し, G蛋白を介してCa2+過負荷をきたす.またPLCの経路からPKC, MAPKを産生し, 心肥大・間質の線維化のシグナルを活性化する, ストレッチにより, AT1の活性化が生じ, Ca2+過負荷をきたし, 撃発活動や異常自動能が発現すると推測される.RASの抑制は, 短期的な電気的リモデリングを抑えるだけでなく, 線維化のような長期的な構造的リモデリングに対しても抑制効果がある.また, ARBはreverse-remodeling作用, 抗炎症作用も有する.このように, RAS阻害は, 心内圧, 心筋壁ストレッチの軽減, イオン電流への影響, 交感神経系への影響, 電解質バランスの安定化, 心筋の電気的・構造的リモデリングの抑制, 抗炎症作用などにより不整脈を予防しうると考えられる.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 28 (1), 15-21, 2008

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (21)*注記

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