<I>The effects of RAAS on gap junction remodeling</I>

  • Ohkusa Tomoko
    山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学

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  • 4.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系のギャップ結合リモデリングへの関与とupstream治療について

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Abstract

心筋細胞のギャップ結合構成蛋白であるconnexin (Cx) の変化は興奮伝播異常を引き起こし, リエントリーの重要な原因になることがしられている.さまざまなストレスにより活性化されたレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (RAAS) は, 心臓の構造や心筋細胞の電気生理学的特性を変化させる.RAASのギヤツプ結合リモデリングへの関与と, RAASの制御は不整脈のupstream治療となりうるか否かを, in vitro実験系で検討した, (1) 新生仔ラット培養心筋細胞を用い, Cx43の遺伝子, 蛋白質発現量, 発現分布, およびmulti-electrode extra-cellular mappingシステムによる興奮伝播速度 (CV) の解析を行った.その結果, 培養心室筋細胞への高頻度電気刺激は, 短時間で心筋細胞のアンジオテンシンII (AngII) 産生をきたし, MAPK系の活性化を介してCx43発現量を増加させた.同時に, CVが増加して重要な不整脈基質となることが証明された.また, losartanによりこれらの変化は抑制された. (2) AngIIの下流であるアルドステロン (ALD) のCx43に及ぼす直接的な影響を検討した.10-8MALDの添加にてCx43遺伝子, 蛋白質発現量およびCVは24時間後に有意に増加したが, 10-6~10-4MALDはCx43発現量を減少させた.ALDは鉱質コルチコイド受容体または糖質コルチコイド受容体に作用することがしられている.各受容体拮抗薬の効果を検討した結果, 10-8MALDのCx43増加作用はMR拮抗薬であるエプレレノンのみにて抑制された.一方, 10-6~10-4MALDのCx43発現量抑制作用にはいずれの拮抗薬も影響を与えなかった.ALDは10-6M以上の濃度でapoptosisを誘導するという報告もあり, 濃度依存性に異なるギャツプ結合リモデリング作用を有することが示された.以上より, RAAS活性化は直接的に心筋細胞Cx43発現量を調節し, 細胞の興奮伝播特性に変化をきたして不整脈発生基盤となるため, RAAS拮抗薬はギャップ結合リモデリングを制御する不整脈のupstream治療となる可能性があると考えられた.

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