高齢者に生じた急性胃軸捻転症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Acute Volvulus of the Stomach in an Elderly Woman-A Case Report

この論文をさがす

抄録

症例は87歳,女性,認知症の既往あり。嘔吐を主訴に来院,心窩部に膨満感と圧痛あり。入院当日の上部消化管内視鏡検査では残渣と,胃の変形のため体中部以降の挿入は不可能であった。CTでは食道,胃は著明に拡張し,穹隆部は右側,胃体部は左側に位置しその先で途絶していた。上部消化管造影でも胃体部で先細り状の途絶が認められた。胃軸捻転症と診断し,開腹手術も考慮したが,高齢の認知症患者で家族の同意も得られず保存的治療を行った。第7病日,腹痛が増悪,内視鏡で著明な虚血性変化がみられたので緊急手術を施行した。術中所見では胃は間膜軸性に捻転し,穹隆部から胃体部は壊死に陥っていたため胃全摘術,Roux-Y再建を施行した。術後,創感染など生じたが軽快退院となった。文献的考察と,本症例の経過における反省点の考察を加え報告する。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ