脳梗塞後遺症を有する高齢者に発症した盲腸軸捻転症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Cecal Volvulus in a Patient of Very Advanced Age with Cerebral Infarction

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抄録

症例は脳梗塞にて認知症のある90歳の男性。癒着性腸閉塞で小腸部分切除を施行し,経鼻胃管による経腸栄養を行っていたが,突然の嘔吐にて発症。腹部X線検査で右下腹部に拡張した結腸ガスを認めた。MDCTによるMultiplanar reformation(以下,MPR)では,Whirl-like appearanceと bird's beak signを認め,盲腸軸捻転症と診断した。内視鏡的に整復を試みたが不可能で,緊急手術を施行した。小腸吻合部と右の腹壁に線維性癒着があり,この間に移動盲腸が入り込み,捻転していた。捻転を解除後,盲腸を右の側腹に固定し,手術を終了した。寝たきり高齢者はコミュニケーションがとりにくく理学所見もとぼしいことから,診断が遅れがちである。今後,寝たきり高齢者の盲腸軸捻転は増えると考えられ,CTのMPRを用い早期に診断し,適切な手術を選択する必要があると考えられた。

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