小児外科における腹部救急診療

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タイトル別名
  • Abdominal Emergencies in Pediatric Surgery

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抄録

1980年以降の25年間に当科に入院した小児患者は6,916例で,うち緊急入院は2,193例,31.7%であった。その間の手術総数は5,927件で,うち緊急手術は1,287件,21.7%に対して行われた。新生児緊急手術は200件で,消化管閉塞や腹壁異常などの先天性疾患が多く,出生前診断率は約60%であった。乳児期以降の腹部緊急手術例1,039例の内訳は,急性虫垂炎が659例,63.4%と最も多かった。消化管出血を主症状とする疾患で一番多かったのは腸重積(167例中103例,61.7%)であった。われわれは小児腹部外傷の重症度を評価するために臨床所見と簡単な検査からなる腹部外傷スコア(以下,ATS)を考案した。ATSはISSともよく相関し,重症度評価に有用であった。またわれわれは,誤飲されたボタン型アルカリ電池を摘出するためにマグネットチューブを考案した。現在,マグネットチューブは商品化されて,釘,ヘアピンなど金属製異物の摘出にも利用されている。

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