サルモネラ感染を合併した成人仙尾部成熟奇形腫の1例

  • 篠原 敏樹
    独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター外科
  • 前田 好章
    独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター外科
  • 濱田 朋倫
    独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター外科
  • 内藤 春彦
    独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Sacrococcygeal Teratoma in an Adult with Salmonella Infection

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抄録

Salmonellaは経口感染し食中毒を引きおこすが,まれに腸管外に感染病巣を形成する.今回,仙尾部奇形腫がSalmonellaの感染病巣になった1例を経験したので報告する.症例は20歳の女性で,尾骨部に疼痛があり,症状が増強し前医を受診した.CTで骨盤部に嚢胞性腫瘤を認め卵巣嚢腫を疑い緊急手術となった.卵巣は異常なく骨盤腔に嚢胞があり,切開し血膿性の内容740ml吸引した.培養よりSalmonella O7群が検出された.術後には菌陰性となり退院した.しかし,翌月再び尾骨痛,発熱が出現し当院に紹介受診となった.CT·MRIで仙骨前面に大きさ約10cmの嚢胞性腫瘤を認めた.嚢胞感染と考え傍尾骨から経皮的嚢胞穿刺ドレナージをした.培養でSalmonella O7群が再度検出された.ドレナージ後残存する嚢胞に対し仙尾部奇形腫を疑い経仙骨的に尾骨とともに摘出した.病理組織学的検査で3胚葉成分を認め成熟奇形腫と診断した.<br>

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参考文献 (29)*注記

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