急速な進行を示した肺癌大腸転移の1切除例

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  • Metastatic Colon Cancer from Lung Cancer which Demonstrated Rapid and Aggressive Growth: A Case Report

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抄録

大腸の転移性腫瘍はまれであり,大腸悪性腫瘍の0.1∼1%を占めるにすぎない.今回,急速な進行を示した肺癌の大腸転移例を報告する.症例は,61歳,男性.平成18年4月に肺癌に対し右肺上葉切除術を受けた.8月より下血が出現.内視鏡検査で横行結腸に腫瘍を認め,生検で肺癌の転移と診断された.腹部CT検査で肝弯曲部に径10cm大の腫瘤を認めた.手術を施行し横行結腸から壁外性に発育し上腹部全体を占める腫瘍を認めた.上部空腸にも手拳大の腫瘤を認め,腫瘍を含め結腸右半切除術および空腸部分切除術を施行した.切除標本で横行結腸の腫瘍は15×13×8cm大であった.術後12日目に術創がし開し壊死物質が流出,CTで右上腹部に径10cm大の腫瘤の再発を認めた.その後,肺転移·肝転移が出現し術後34日目に死亡した.肺癌の消化管転移は肺癌の末期的状態と考えられ,切除の適応は出血のコントロールおよび腸閉塞の解除に限るべきである.<br>

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