無治療で自然経過を観察したnon-episodic angioedema with eosinophilia―本邦報告60例についての治療効果の統計と検討―

• 端本 宇志

  東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

• 田中 智子

  東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

• 高山 かおる

  東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

• 佐藤 貴浩

  東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

• 横関 博雄

  東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名

• Spontaneous Resolution of Angioedema with Eosinophilia in an Untreated Case, with a Retrospective Analysis of Treatments Used in 60 Japanese Cases
• ムチリョウ デ シゼン ケイカ オ カンサツシタ non episodic angioedema with eosinophilia ホンポウ ホウコク 60レイ ニ ツイテ ノ チリョウ コウカ ノ トウケイ ト ケントウ

抄録

46歳，女性．誘因無く末梢血好酸球数が7,686/μlと上昇し四肢に指圧痕を残さない浮腫が出現，体重は6 kg増加した．生検組織像では真皮の浮腫と血管周囲，膠原線維間に好酸球とリンパ球の浸潤を認め，心機能，腎機能を含めて内臓臓器に異常なくnon-episodic angioedema with eosinophilia（NEAE）と診断した．無治療で経過を観察したところ12週で軽快した．NEAEの治療にはステロイドが有効とされ，また抗アレルギー薬，抗ヒスタミン薬も効果があるといわれる．そこで，本邦で報告されたNEAE 60例について記載をもとにその傾向と治療効果を分析した．症例は全例が女性で浮腫は四肢に限局し，90%が夏季から秋季に発症していた．無治療例と比較しステロイド投与例では治療に要した期間が有意に短かった一方で，抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬投与例と無治療例との間に有意差は無かった．NEAEに対する抗アレルギー薬，抗ヒスタミン薬の効果は自然経過を見ているに過ぎない可能性がある．

収録刊行物

• 日本皮膚科学会雑誌

  日本皮膚科学会雑誌 118 (5), 925-931, 2008

  公益社団法人 日本皮膚科学会

キーワード

• non-episodic angioedema with eosinophilia (NEAE)
• corticosteroids
• antihistamines
• anti-allergic drugs

詳細情報

• CRID: 1390282680713651712
• NII論文ID: 130004714804
• NII論文ID: 10021305692
• NII書誌ID: AN00196602
• DOI: 10.14924/dermatol.118.925
• ISSN: 13468146
• ISSN: 0021499X
• NDL書誌ID: 9479868
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I9479868
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008277139
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可