海面埋立廃棄物処分場酸化池内水におけるリン酸欠乏状態とリン酸欠乏が硝化活性に及ぼす影響

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  • Phosphate Deficiency and Its Effect on Nitrification in the Pond of a Sea-Based Solid Waste Disposal Site

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抄録

都市ごみ焼却灰を主体に埋立ている海面埋立廃棄物処分場酸化池内水において,比較的高濃度のアンモニウムイオンが存在することから,硝化活性阻害が生じていると考えられた。酸化池内水のリン酸は,焼却灰に含まれるカルシウムなどの塩類と不溶性の沈殿を生じるために濃度が非常に低くなっており,リン酸欠乏が硝化活性に阻害的影響を与えていると考えられた。硝化活性のリン酸欠乏状態を確かめるために,微生物膜の付着支持体としてひも状接触材を用いた実証実験施設の硝化反応槽で実験を行った。10℃以下の低水温でもリン酸を添加することで硝化活性を促進することが出来たが,リン酸添加を停止すると25℃以上の水温でも硝化活性が低下した。今回の実験条件では,炭酸やアルカリ度の指標となる無機炭素の枯渇よりも,リン酸欠乏が硝化活性に最も影響すると考えられた。リン酸制限下では硝化反応槽流出液に亜硝酸の蓄積が認められたことから,亜硝酸酸化細菌はアンモニア酸化細菌よりもリン酸欠乏に対して感受性が高いと考えられた。このことにより,リン酸供給を制御することにより部分硝化反応を行わせる可能性が示唆された。

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