全身型若年性特発性関節炎の病態形成因子としてのIL-6

  • 横田 俊平
    横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学

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タイトル別名
  • Interleukin-6 as a Pathogenic Factor of Systemic-onset Juvenile Idiopathic Arthritis

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抄録

  小児期にみられる慢性関節炎疾患のうち,発熱,リウマトイド疹,関節炎などに肝脾腫,心膜炎などを併発する全身発症型若年性特発性関節炎は,炎症性サイトカインのひとつであるIL-6の過剰状態により病態が形成されていると推定されていた.今回私たちは,ヒト化抗IL-6レセプター・モノクローナル抗体を用いてpin-pointにIL-6レセプターを中和することにより,本疾患の臨床症状の終束を図ることに成功し,炎症性サイトカインの過剰状態が明らかに病態形成に関わることを証明した.また同時に大量ステロイド薬の長期に渡る使用を余儀なくされる本疾患において,抗IL-6レセプター・モノクローナル抗体が炎症全体の抑制に有効であることを見出し,今後第一選択薬となる可能性について言及した.臨床医学に基礎科学から得られた知識を導入することにより,治療方法を確立することが出来た点は重要である.<br>

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