大腸内視鏡検査における同時性多発腫瘍の頻度

• 木村 聖路

  三戸町国民健康保険三戸中央病院内科

• 田中 正則

  弘前市立病院臨床検査科

• 工藤 敏啓

  弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科

• 相沢 弘

  弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科

• 福田 真作

  弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科

書誌事項

タイトル別名

• The Prevalence of Synchronous Multiple Tumors between Adenoma, Intramucosal Cancer, and Invasive Cancer during Colonoscopy

抄録

大腸腫瘍は同時性に併存する多発腫瘍の頻度が高い．今回腺腫，粘膜内癌，浸潤癌の各患者における同時性多発腫瘍の頻度を比較した．内視鏡検査で指摘した腺腫のみの患者476例(腺腫群），一つ以上粘膜内癌のある患者184例(粘膜内癌群），一つ以上浸潤癌のある患者179例(浸潤癌群）における単発腫瘍の頻度，多発腫瘍の場合はその種類と頻度を検討した．腺腫群は単発腺腫254例(53.4%），多発腺腫222例(46.6%）であり，多発腺腫の内訳は2病変144例(30.2%），3病変50例(10.5%），4病変以上28例(5.9%）だった．粘膜内癌群は単発粘膜内癌86例(46.7%），粘膜内癌と腺腫併存73例(39.7%），多発粘膜内癌25例(13.6%）だった．浸潤癌群は単発浸潤癌113例(63.1%），浸潤癌と腺腫併存36例(20.1%），浸潤癌と粘膜内癌併存19例(10.6%），多発浸潤癌11例(6.2%）だった．多発腫瘍の頻度は粘膜内癌のある患者で最も高く，次に腺腫のみの患者であり，浸潤癌のある患者で最も低かった．統計学的には腺腫群と浸潤癌群(p＜0.05），粘膜内癌群と浸潤癌群(p＜0.005）で有意差を認めた．内視鏡検査における大腸腫瘍は腺腫，粘膜内癌などの粘膜内病変は同時性多発腫瘍を併存しやすく，浸潤癌はむしろ単発腫瘍として指摘されやすい．<br>

収録刊行物

• 日本大腸肛門病学会雑誌

  日本大腸肛門病学会雑誌 61 (5), 240-246, 2008

  日本大腸肛門病学会

キーワード

• 大腸腺腫
• 大腸癌
• 同時性多発

詳細情報

• CRID: 1390001204856681600
• NII論文ID: 10021941431
• NII書誌ID: AN00195100
• DOI: 10.3862/jcoloproctology.61.240
• ISSN: 18829619
• ISSN: 00471801
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/61/5/61_5_240/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008209318
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可