滑脳症の分子機構の解明‐神経細胞の遊走におけるモータータンパク質の制御‐

  • 広常 真治
    大阪市立大学大学院医学研究科細胞機能制御学

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  • 神経細胞の遊走におけるモータータンパク質の制御

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滑脳症は胎生期における神経細胞の遊走異常に伴う疾患であり, 脳回の欠如に伴う平坦かつ肥厚した大脳皮質を示し, 病理学的には本来の6層構造ではなく4層構造を示す.臨床的には重度の精神遅滞と難治性のてんかんを示す.中でも古典的な滑脳症は約60%がLIS1のヘテロ変異体によるものであり, 1~2万人の新生児に1人発生すると見積もられている.我々はLIS1の変異がなぜ滑脳症を来すのかの研究に取り組んできた.その結果, LIS1はモータータンパク質の細胞質ダイニンの制御因子であり, 細胞質ダイニンの局在をコントロールする役割があることが分かった.本稿では滑脳症形成の分子機構について細胞質ダイニンの果たす役割について解説する.

Journal

  • NO TO HATATSU

    NO TO HATATSU 40 (3), 208-212, 2008

    THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY

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