大脳皮質のパターニングと視床‐皮質ネットワークの形成機構‐

  • 下郡 智美
    理化学研究所脳科学総合研究センター下郡研究ユニット

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タイトル別名
  • 皮質ネットワークの形成機構

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抄録

哺乳類の大脳皮質には, 機能ごとに領域が設定されており, それぞれの領域に視床ニューロンを介した外部情報が入力される.個々の領域が大きく, また, 種類が多ければ, 処理出来る情報の量や種類が増えることが容易に想像出来る.実際にヒトが, 他の哺乳類に比べて複雑な社会性を持つことや, 言語能力などの特殊能力を持ち合わせていることに, 大脳皮質の大きさ, 領域の多さが関与していることが示唆されている.しかし, 入力の頻度や量により, 大脳皮質領域は影響を受けるものの, 外部入力が起る前の発生初期に大脳皮質領域は大まかに決定されていることが知られている.そこで, 大脳皮質領域がどのようにして発生過程で形成されるのかを解明することは我々ヒトの脳がどのように進化し, 我々が持ち合わせている能力を獲得したのかを解く鍵になると考え, そのメカニズム解明を目指している

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 40 (3), 221-227, 2008

    THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY

参考文献 (20)*注記

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