膝複合靭帯損傷における, 前及び後十字靱帯同時再建術後の理学療法

書誌事項

タイトル別名
  • Physical Therapy for Compound Knee Ligament Injury After Simultaneous Reconstruction of Anterior and Posterior Cruciate Ligaments
  • 症例報告 膝複合靭帯損傷における,前及び後十字靱帯同時再建術後の理学療法
  • ショウレイ ホウコク シツ フクゴウ ジンタイ ソンショウ ニ オケル ゼン オヨビ コウジュウジ ジンタイ ドウジ サイケン ジュツゴ ノ リガク リョウホウ

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抄録

膝複合靭帯損傷により,前十字靱帯 (anterior cruciate ligament: ACL) 及び後十字靱帯 (posterior cruciate ligament: PCL) 同時再建術を施行された1症例に対し理学療法を行なった。<br> 術後プログラムは,1996年の遠山の報告を基にし,さらに当院のACL及びPCL単独損傷後における各術後プログラムを組み合わせ作成し,理学療法 (physical therapy: PT) を行なった。<br>〔結果〕術後4か月で膝可動域 (range of motion: ROM) は正常となった。術後16か月で,膝不安定性は認めず,筋力はピークトルク・180°/sec・患健比で大腿四頭筋 (quadriceps femoris: Quad) は87%,ハムストリングス (hamstrings: Ham) は103%,膝運動能力は下肢機能的運動能力テスト (functional ability test: FAT) で4種目全てが良好となった。<br> ACL及びPCL同時再建術後PTのポイントは,以下の3つである。第1に,再建靭帯 (特にPCL) の最低限の成熟が期待できる時期まで,ACL及びPCLのストレスを最小限に抑えるため,Quad・Hamの同時収縮を中心とした筋力強化を膝軽度屈曲位で行なうこと,また,Hamの単独収縮を避けることである。第2に,膝拘縮により授動術を要する可能性が高いため,主治医と膝ROMの回復経過について密に連絡をとることである。第3に,膝運動能力向上のために,協調性トレーニングを十分に行なうことである。

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参考文献 (22)*注記

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