野菜生産によるCO<sub>2</sub>排出量の変遷に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A study on transition of CO<sub>2</sub> emission by vegetable production
  • 野菜生産によるCO2排出量の変遷に関する研究
  • ヤサイ セイサン ニ ヨル CO2 ハイシュツリョウ ノ ヘンセン ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

本研究では野菜の生産過程に着目し、CO2排出量の変遷を作物ごと、あるいは露地、施設加温などの栽培体系ごとに解析した。その結果、1975年には野菜生産によって約4百万tのCO2を排出していたが、1984年には約3百万t まで減少していることが示唆された。特に葉茎・根菜類野菜生産によるCO2排出量が減少していた。これは化学肥料の生産量減少、あるいは有機農業等の運動に起因するものである。一方で、果菜類野菜による排出量が全体の半分以上を占めた。特に、トマトときゅうりは全体の生産量の1 割程度にもかかわらず4割近くの排出量に達していることがわかった。さらにトマト生産によるCO2排出量は1980年代から上昇した。中でも光熱動力による排出量は1975年から20年間で約5倍になっている。また、施設加温のトマト生産の環境効率を推計したところ、CO2排出量増加に伴って非常に悪化していることがわかった。しかし、無加温のトマト生産、特にハウス無加温は平均して約0.6千円/kg-CO2と環境効率が非常に高いことがわかった。また、ハウス無加温の平均粗収益は1t当り102千円と露地に比べ1.5倍高いこともわかった。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ