マウス脂肪由来培養細胞から軟骨細胞への分化誘導

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  • Cartilage regeneration using adipose derived cells

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抄録

マウス皮下脂肪組織から分離・培養した脂肪組織由来培養細胞(Adipose-derived stromal vascular fraction culture cells: ADSVFs)に対して、細胞表面マーカーの解析を行ったところ、間葉系幹細胞マーカーの CD105 陽性率は65.1±5.0%であった。次に ADSVFs を用いて凝集培養法による軟骨細胞への分化誘導を検討したところ、培養開始時に 2×10 cell/ml 以上の ADSVFs を用いることで軟骨細胞マーカーの aggrecan の mRNA が検出された。さらに ADSVFs から CD105 陽性の脂肪由来組織幹細胞(Adipose-derived stem cells: ASCs)を選択・分離し、細胞凝集法とアテロコラーゲンゲル培養法による軟骨細胞への分化誘導を検討した結果、Non sort の ADSVFs よりも CD105 陽性細胞から軟骨細胞へ分化誘導した方が、aggrecan の mRNA が多く検出された。また、CD105 陽性細胞をアテロコラーゲンゲル培養法にて分化誘導した場合、細胞凝集法とほぼ同程度の aggrecan の mRNA を発現する細胞に分化させることができた。軟骨組織の再生医療を想定した場合、軟骨細胞をゲルシート状に培養し、欠損部に適した形状に加工することが必要であると考えられるため、さらに詳細な検討を継続する必要がある。

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参考文献 (13)*注記

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