飼料イネ生産が肉用牛繁殖経営農家における窒素, リンおよびカリウムの利用状況に及ぼす影響

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  • The effects of forage rice production on utilization of nitrogen, phosphorus and potassium in a beef cow-calf system

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抄録

本研究では、熊本県阿蘇市における飼料イネ生産を伴う肉用牛繁殖経営農家を対象とし、その生産システムにおける窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)のフローを定量的に把握するとともに、飼料イネ生産が生産システムにおける栄養素フローに及ぼす影響を検討した。調査農家の生産システムは農家の経営単位を境界とし、牛飼養部門と耕作地部門から構成された。また、この農家における栄養素フローの把握は各部門の栄養素収支を算出することにより行った。栄養素利用状況の評価には、環境負荷、資源利用および資源循環の指標である、栄養素収支、利用効率および循環指標を用いた。調査農家のN、P、Kの利用状況を把握した結果、生産システム全体の栄養素収支(kg/年/ha)は順に61、24、46であり、利用効率は順に0. 44、0.31、0.34、循環指標は順に0.25、0.18、0.51であった。さらに、調査農家における転作作物としての飼料イネ生産が、生産システム全体の栄養素収支、利用効率、循環指標に及ぼす影響についてシミュレーションにより検討した結果、飼料イネ単作の影響は、イタリアンライグラス単一作と同程度であった。

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