アセチルコリン受容体欠乏症による先天性筋無力症候群患児に対する治療の取り組み

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タイトル別名
  • Treatment Approach to Congenital Myasthenic Syndrome in a Patient with Acetylcholine Receptor Deficiency

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抄録

 先天性筋無力症候群 (congenital myasthenic syndrome: CMS) は, 神経筋接合部構成分子の欠損/欠乏または機能障害によっておこる稀な疾患群である. アセチルコリン (acetylcholine: ACh) 受容体欠乏症によるCMS患者の診断・治療経過を報告する. 患者は生後5カ月に眼瞼下垂に気付かれ, 1歳6カ月時にテンシロンテスト陽性から重症筋無力症と診断された. 胸腺摘出術, ステロイド薬, taclorimus投与も効果なく, 10歳時には車椅子主体の生活となった. 抗ACh受容体抗体は終始陰性であった. 遺伝子解析でCMSに関する既知の変異は検出されず, 11歳時に神経筋接合部の選択的筋生検にて診断にいたった. 現在, 免疫抑制療法に代えて臭化ジスチグミン, 3, 4-ジアミノピリジンを開始し経過観察中である.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 41 (1), 37-42, 2009

    一般社団法人 日本小児神経学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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