木曽山脈・大棚入山で発見された大規模山体崩壊跡

書誌事項

タイトル別名
  • Paleo-mass-movement Detected on the Otanairi Mountain, Kiso Range
  • キソ サンミャク オオタナイリヤマ デ ハッケン サレタ ダイキボ サンタイ ホウカイ アト

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抄録

木曽山脈中北部の大棚入山には, 過去の大規模山体崩壊とそれに伴う岩屑なだれや天然ダムの跡が見られる. これらの発生時期を解明するため, 岩屑なだれの表層や天然ダム湖跡 (濃ヶ池), 閉塞凹地 (下の池) における堆積物調査を行った. 岩屑なだれ堆積面上の植生や被覆層の14C年代, 下の池を埋める堆積物の14C年代などから判断すると, 岩屑なだれは300~400年前にはすでに生じていたと考えられる. また, 史料には濃ヶ池の天然ダムが寛文元 (1661) 年に決壊したことが記載されている. したがって, 大棚入山の山体崩壊とそれに伴う諸現象の発生時期は, 17世紀頃以前まで遡ると考えられる. この崩壊の推定土砂量は107m3を超えるもので, 本地域ではまれに起こる大規模山体崩壊であったことから, 断層活動などの低頻度イベントとの関係が注目される.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 45 (6), 479-487, 2006

    日本第四紀学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (20)*注記

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