長崎県島原半島に分布する更新統北有馬層の堆積相と貝化石相

書誌事項

タイトル別名
  • Sedimentary Facies and Molluscan Fauna of the Pleistocene Kitaarima Formation, Southeastern Shimabara Peninsula, Northwestern Kyushu
  • ナガサキケン シマバラ ハントウ ニ ブンプスル コウシントウ キタアリマソウ ノ タイセキソウ ト カイ カセキソウ

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抄録

九州北西部,島原半島に分布する下部~中部更新統北有馬層の貝化石について,堆積相との関係に注目して調査した.その結果,潮汐低地,潮汐流路,河口,内湾の4つの堆積相が識別され,これらは少なくとも2回の堆積サイクルを示す.また,(1)ヒラタヌマコダキガイを主体とし,潮汐流路相に伴う貝化石群,(2)アワジチヒロ,スミノエガキ,サルボウなどからなり,礫層より産出する貝化石群,(3)マクラガイ,スミスシラゲ,シロバトガイなどからなり,内湾相に伴う貝化石群の3種類の貝化石群を確認した.この中には,有明海準特産種とされる貝類のうちの5種が含まれる.そのうち,アワジチヒロとチリメンユキガイは加津佐層に次いで古く,スミノエガキは最古の記録である.しかし,ホソウネモミジボラとウミタケは鮮新世の陸棚堆積物中に現れている暖流系種であり,これまでしばしばいわれていたような中国大陸沿岸系の内湾種と考える理由はない.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 46 (4), 341-354, 2007

    日本第四紀学会

参考文献 (86)*注記

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