小児喘息の服薬アドヒアランス―保護者への意識調査から―

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タイトル別名
  • DRUG ADHERENCE IN CHILDREN WITH BRONCHIAL ASTHMA
  • ―保護者への意識調査から―

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抄録

背景 : 小児喘息の服薬アドヒアランスの重要性が指摘されているが現実には不充分である.<br>目的 : 喘息小児の保護者に対して意識調査を行い, 服薬アドヒアランスを高めるために何が必要かを検討する.<br>方法 : 2歳以上12歳未満の小児喘息児71例の保護者にアンケートを行った.<br>結果 : 長期管理薬として吸入ステロイドを好む保護者は22.2%に対し, 内服ロイコトリエン拮抗薬 (LTRA) を好む保護者は52.8%と過半数を占めた. 内服LTRA使用患児の保護者で吸入ステロイドを好むものはいなかったのに対し, 吸収ステロイド使用患児の保護者の30.8%は実際には内服LTRAの方を望んでいた. 喘息への理解度を示す質問に対し, 平均点以下であった保護者群では指示通りの服薬率が68.2%であったのに対し, 平均点以上であった群では51.0%と, むしろ理解度良好と考えられる保護者でアドヒアランスが悪い傾向であった. 服薬が指示通りとならない理由としては, 「忙しくてうっかり忘れる」と答えた保護者が70%にのぼり, 最も多かった.<br>考察 : 現状では, 保護者の間ではステロイド吸入よりも内服LTRAを好む傾向が見られ, 吸入ステロイド必要例に対しては特に充分な説明が必要と思われた. また, 喘息への理解度が高いことが必ずしも服薬アドヒアランスの向上に結びついていなことが判明し, 生活習慣全体の見直しなど新たな工夫が必要と思われた.

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参考文献 (43)*注記

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