鼠径部に腫瘤を形成した子宮内膜症の1例

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  • A CASE OF ENDOMETRIOSIS WITH A MASS IN THE INGUINAL REGION

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抄録

症例は41歳,女性.5年前より右鼠径部に腫瘤を自覚,平成18年に入り腫瘤が圧痛を伴い周期的に大きくなるといった症状が加わったため当院外来を受診となった.触診にて右鼠径部に3cm大・弾性硬な腫瘤を触知,超音波・骨盤部CTよりNuck管水腫,粘液腫等を疑いインフォームドコンセントの上,診断・治療目的に手術を施行した.腫瘤は子宮円索末梢側に存在したため,子宮円索を含めて腫瘤を切除した.病理組織検査にて組織内に子宮内膜類似組織が混在しており,子宮内膜症と診断された.本症は外性子宮内膜症のうち約0.8%と比較的稀な疾患であり診断に難渋することが多いが,充分な病歴の聴取により症状と月経周期との関係を把握することが診断のポイントであると考えられる.鼠径部の腫瘤を主訴に来院した症例の診察にあたっては本症を鑑別診断の一つにあげ慎重な病歴の聴取を行う必要があると思われた.

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