胆嚢炎による高度十二指腸狭窄の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF DUODENAL STENOSIS DUE TO CHRONIC CHOLECYSTITIS

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抄録

症例は58歳,男性.5カ月前,上腹部膨満感,食欲不振を自覚し近医受診.GTFにて経過観察していたが次第に十二指腸球部の狭窄が進行し当院紹介となった.GTFにて十二指腸球部に狭窄を認めたが粘膜面に明らかな異常を認めなかった.上部消化管造影検査では造影剤の十二指腸への流出を認めず,腹部CT上,胃幽門部に軽度の壁肥厚を認めた.以上より原因不明の十二指腸狭窄の診断で手術を施行した.腹腔鏡にて観察すると十二指腸球部に壁肥厚を伴った胆嚢が癒着していた.術中GTFを施行し胆嚢との癒着剥離にて狭窄が解除されたことを確認,胆嚢摘出術を施行した.摘出した胆嚢は病理組織検査にて胆嚢炎と診断された.術中術後所見と合わせ判断すると胆嚢炎により胆嚢と十二指腸球部が癒着しその後胆嚢の萎縮により十二指腸が牽引され高度の狭窄をきたしたと推測した.

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参考文献 (14)*注記

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