放射線化学療法後の局所,遠隔再発に対しsalvage治療を行った肛門直腸扁平上皮癌の1例

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  • A CASE OF SALVAGE TREATMENT FOR LOCAL AND DISTANT RECURRENCE OF ANAL CANCER AFTER CHEMORADIATION

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抄録

今回われわれは,放射線化学療法にて完全寛解(CR)後に局所,遠隔再発をきたした肛門直腸扁平上皮癌症例のsalvage治療を経験し,良好な経過を得たので報告する.症例は59歳,女性.肛門─下部直腸の進行扁平上皮癌に対し放射線化学療法(44Gy+CDDP 30mg×8)が施行され,CRを得た.3カ月毎の定期検査にてフォローされたが,9カ月後の定期検査にて局所再発,遠隔リンパ節転移が判明した.Salvage治療として腹会陰式直腸切断術,リンパ節郭清,追加放射線化学療法が施行され,salvage治療から15カ月経過し無再発健存中である.肛門機能温存が可能な放射線化学療法は,肛門扁平上皮癌に対し標準治療となったが,腹会陰式直腸切断術などによるsalvage治療を前提としている.約30%の症例が,放射線化学療法無効,局所再発などに対しsalvage手術を要しており,肛門扁平上皮癌の治療において外科手術の役割は重要である.

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