食品廃棄物の高温発酵乾燥飼料給与による肉豚肥育が発育成績に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The Effect on the Growth Performance of Pigs Using only Dried Feed Made from By-products of Food Processing
  • ショクヒン ハイキブツ ノ コウオン ハッコウ カンソウ シリョウ キュウヨ ニ ヨル ニクブタ ヒイク ガ ハツイク セイセキ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

WLDおよびLD肥育豚34頭を用いて,試験区に食品廃棄物のみを原料として調製された高温発酵乾燥飼料(以下 試験区飼料)を,対照区に市販配合飼料を給与する肥育試験を実施した。試験区飼料の原料としてパン屑および余剰・食べ残しの米飯70%,魚類5%,野菜屑15%,乾燥豆腐粕10%(いずれも原物中)を用いた。乾燥処理は廃棄物処理業者に依頼し,高温発酵乾燥菌を添加して処理機に投入し,品温80℃で5時間維持により乾燥を行った。試験は1群5-6頭の群飼により不断給餌,自由飲水で実施し,毎週1回体重測定と残飼量測定を行った。また,肥育試験に用いた飼料の水分,粗蛋白質,粗脂肪,NFE(可溶無窒素物),総繊維,アミノ酸含量,ミネラル含量を測定し,その変動について検討を行った。その結果,試験飼料は栄養成分においてロット間変動が少なく,安定した品質であることが明らかとなった。<BR>肥育試験終了後,全供試豚を屠畜解体し,枝肉成績,脂肪酸組成等の調査および豚肉の官能試験を実施した。その結果,試験区飼料は豚の嗜好性が悪く,採食量が低いため,対照区の増体0.87kg/日に対して,試験区ではわずか0.4kg/日であり,試験区は対照区に比べ有意な発育の遅延がみられた。一方,試験区の枝肉は筋肉内脂肪含量が多く,官能試験においても高い評価が得られた。また,試験区飼料は配合飼料より安価であることから,もし,当飼料の嗜好性を改善できれば,100%給与した豚の肥育も可能性があると考えられる。

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