骨盤創外固定器を用いて集中治療を遂行しえた重症頭部外傷・骨盤骨折の1例

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  • Pelvic Fracture with Severe Head Injury Treated by External Fixation: A Case Report

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抄録

症例は77歳,男性.歩行中に二輪車にはねられ受傷.初療時JCS III-300と高度の意識障害を認め,脳挫傷・外傷性くも膜下出血・両側血胸・骨盤骨折(右仙腸関節脱臼骨折・右恥坐骨骨折・左腸骨骨折)・左環指基節骨骨折の診断であった.収縮期血圧は80mmHgと低下し,受傷12時間で濃厚赤血球10単位を輸血した.頭蓋内圧モニター・人工呼吸管理・サムスリング固定を行った.受傷5日目に創外固定術を施行し,体位変換を開始した.呼吸状態の改善を認め,18日目に人工呼吸器離脱し,術後7週で創外固定を抜去した.重症頭部外傷を伴った骨折治療では,特に受傷24時間以内に二次的脳損傷をおこさないことが重要である.仙腸関節脱臼骨折は手術の絶対適応で,仙腸関節プレートなどの内固定術が推奨されているが,本症例では意識障害が高度で早期荷重が期待できなかったため,簡便・低侵襲である創外固定を選択した.

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