十二指腸憩室内結石落下嵌頓による腸石イレウスの1例

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  • A CASE OF ENTEROLITH ILEUS AS A RARE COMPLICATION OF DUODENAL DIVERTICULA

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抄録

症例は77歳,女性.嘔気,嘔吐,腹痛のため当院受診した.腹部単純X線写真,腹部超音波検査にてイレウスと診断し入院した.腹部CTでは骨盤内左側の小腸内に径約3cmの石灰化を有する陰影を認めた.イレウス管造影でも同部回腸に腫瘤状の陰影欠損を認め,閉塞していた.腸石による閉塞性イレウスと診断し開腹術を施行した.回腸末端から約60cmの部位に閉塞部位を認め,結石様腫瘤を触知した.小腸部分切除を施行した.切除標本にて,4.5×3.5×2.0cmの腸石を認めた.結石成分分析にて胆汁酸結石と考えられた.術後の消化管透視,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸水平脚に径3~6cmの憩室を数室認め,各憩室内に結石を認めた.また,術前後のCT,US,MRCPで胆道系異常は認めなかった.以上から,十二指腸憩室内結石の墜落によるイレウスと考えられた.十二指腸憩室内結石落下嵌頓による腸石イレウスは本邦では2例目であった.

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