α‐グルコシダーゼ阻害剤が関与した腹腔内遊離ガス像を伴う腸管嚢胞状気腫症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PNEUMATOSIS CYSTOIDES INTESTINALIS WITH PNEUMOPERITONEUM INDUCED BY .ALPHA.-GLUCOSIDASE INHIBITOR

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抄録

症例は79歳,女性.左肺の結節影を指摘され,当院呼吸器科にて経過観察中であった.平成19年9月より,糖尿病に対してα-グルコシダーゼ阻害剤(以下α-GI)の内服を開始した.呼吸器科にて定期検査のためCT検査を施行され,左肺全体に網状影と結節の増大傾向を呈し,肺癌と診断された.さらに,腹腔内遊離ガス像および横行結腸が中心の腸管壁内ガス像を指摘され,当科に紹介となった.消化管穿孔を示唆する所見を認めず,α-GIによる気腹症を伴う腸管嚢胞状気腫症(以下PCI)と診断した.α-GIの内服を中止し,保存的治療にて軽快した.本邦におけるα-GIの関与による気腹症を伴うPCIの論文報告は4例であり,自験例を含め5例と稀な症例である.<BR>さらに呼吸器疾患を合併する症例が本症例を含め3例で,本症の発生に呼吸器疾患の関与が考えられた.

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参考文献 (16)*注記

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