静脈血栓が原因と考えられた漏出性胆汁性腹膜炎の１例

• 徳毛 誠樹

  香川県立中央病院外科

• 大橋 龍一郎

  香川県立中央病院外科

• 花畑 哲郎

  愛媛県立三島病院外科

• 岡 智

  香川県立中央病院外科

• 山川 俊紀

  香川県立中央病院外科

• 塩田 邦彦

  香川県立中央病院外科

書誌事項

タイトル別名

• A CASE OF BILIARY PERITONITIS DUE TO TRANSUDATION OF BILE FROM THE GALLBLADDER CAUSED BY PHLEOTHROMBOSIS

抄録

症例は65歳，男性．飲酒後の腹痛を主訴に前医に緊急入院し，症状が増悪するために当院に搬送された．急性膵炎を疑い加療を開始するも炎症所見の悪化と腹水の著明な増量を認め，腹水穿刺にて胆汁性腹水を認めたため胆汁性腹膜炎と診断し緊急開腹術を施行した．大量の胆汁性腹水であったが，胆嚢穿孔，消化管穿孔は認められず漏出性胆汁性腹膜炎と診断した．胆嚢摘出と腹腔内洗浄で終了したが，術後経過は良好であった．肉眼的に胆嚢漿膜面に菲薄部を認め，病理学的には漿膜面から筋層を主体に変性壊死を認めていたが粘膜面の炎症は軽微であった．胆嚢頸部など壁内静脈に鬱血を認め一部で血栓形成も確認されたことから，胆嚢壁での還流障害が漿膜を菲薄化させ胆汁の漏出を招いたものと推察された．

収録刊行物

• 日本臨床外科学会雑誌

  日本臨床外科学会雑誌 69 (9), 2400-2403, 2008

  日本臨床外科学会

キーワード

• 漏出性胆汁性腹膜炎
• 静脈血栓
• 胆嚢穿孔

詳細情報

• CRID: 1390001204847103616
• NII論文ID: 130004517053
• NII論文ID: 10024304424
• NII書誌ID: AA11189709
• DOI: 10.3919/jjsa.69.2400
• ISSN: 18825133
• ISSN: 13452843
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/69/9/69_9_2400/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2009032146
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可